私の卒業式の想い出で最も心に残っているのは中学生の時の卒業式である。というのも私は幼稚園・小学生・中学生・高校生・大学生・大学院生と一通りの卒業式を経験したがこれらの中で最低の卒業式であったからである。

一部の不真面目な生徒が特攻服を着て入場したり、大声を出して暴れたり、帰りに校門を閉鎖して一般生徒だけでなく保護者の方や来賓の方にまで迷惑をかけていたのは今でも鮮明に記憶に残っている。たしか警察も出動したと思う。今、各地の成人式が荒れているというがただ報道されていないだけで卒業式も同様の事が起こっているのではないだろうか、と思えてならない。

そもそも「卒業式」というのは学校生活の中で最も神聖で厳粛なものでなければならない。何故ならその教育過程の修了を示す式だからである。確かに新しい環境に思いをはせてはしゃぎたくなる気持ちも分かるし、今までの鬱憤をぱぁーっと晴らしたい気持ちも分かる。だがそこを少しは堪えてきちんと最後くらいはちゃんと締めてほしいものである。そこで大暴れするのは小学生以下、いや幼稚園生ですらやっちゃ駄目だということがわかるだろう。

では逆に記憶にあまり残っていない卒業式はどれだろうか。私は大学院生の時の卒業式である。勿論感動しなかった訳ではない、2年もかけて完成させた修士論文も通り、修士論文発表会もなんとか成功させたから卒業できた、感動しないわけがない。じゃあ何故あまり記憶に残っていなかったのか。それは特に何も起こらなかったからである。そう、何もイレギュラーな出来事が起こらずに神聖で厳格に卒業式は進行した。勿論、卒業式後の祝賀会はそれなりに華やかだったが歯目を外す者などは出なかったし、みんな酒を飲んでも潰れる者もいなかった。そして最後には別れを悲しみ、新たな想いを胸に旅立っていった。私はこれこそが卒業式の真のあり方であると思う。一部の人たちが暴れたりして楽しむのが卒業式ではなく、卒業式とはみんなが別れを悲しみ、旅立つ儀式のようなものであるのだから。