私は現在に至るまでいくつかの卒業式を経験してきました。
小学校、中学校、高校、大学・・・やはり卒業式はそのときそのときの節目ということもあり、どれもすごく印象に残っています。
その中でも特に思い出深いのは小学校の卒業式です。小学校というものは6年間も通うところだし、一番成長する時期を過ごすところということで印象に残っているのだと思います。
そのほかにも私には小学校の卒業式に強く印象を与えることがありました。それは、中村くんのことがあったからです。中村くんは私の家の近くに住んでいて、1年生、2年生、3年生と同じクラスになった男の子でした。中村くんは明るい性格でみんなの人気者でした。私は男の子のようなやんちゃな性格で中村くんとはよく喧嘩をしたりしました。喧嘩が絶えないふたりでしたが、お互いいい友達という関係でした。
そんな中村くんは3年生の冬に突然病気で亡くなりました。まだ、身近な人の死に直面したことのなかった私はとても大きな衝撃を受けました。私同様、クラスのみんなもそうだったと思います。みんな中村くんの死に衝撃を受けていました。それから何日も何日も落ち込んだ日々は続きました。しかし、亡くなった中村くんのためにも一生懸命生きることが私たちにできることだと先生から学びみんなで中村くんの分までがんばりました。
それから、4年生になり、5年生になり、6年生になって卒業式を迎えました。卒業式になるころには中村くんの悲しみは薄れていたように感じます。しかし、卒業式には中村くんのお母さんが中村くんの写真を抱いて参加していました。私は、卒業証書をもらい壇上から降りるときに中村くんのお母さんと中村くんの写真を見たときに涙が止まらなくなりました。そして、そのとき私は小学生を中村くんの分までがんばれたと感じました。式が終わってからみんなで中村くんのお母さんの所に行きました。中村くんのお母さんは、「みんなと一緒に卒業できた」と言いました。みんなで死に直面し、それを乗り切れたのだと感じました。