卒業式と聞いて思い出すのは、やはり高校の卒業式です。

高校3年間、私にも片思いの男子生徒がいました。県外から来ていた野球部のF君。そんなに飛びぬけてカッコいいというコではなかったのですが、どことなくホンワカとしたやさしい感じの彼でした。一方私といえば、今で言う「腐女子」に近いオタク系少女まっしぐらで、同人誌なんかのサークルに入って、度のキツイ眼鏡をかけた冴えない女子でした。

周りの友達でも、眼鏡からコンタクトレンズに変える人が増える中、私の親はガンとしてコンタクトレンズを許してくれませんでした。高い、というのもあったんでしょうが「高校生の身分でコンタクトレンズなんて必要ない」という考えだったようです。それでも乙女心の必死のお願い。卒業のお祝いにコンタクトレンズを買って欲しい、どうしても卒業式にはコンタクトレンズで出席したいと拝み倒して、見事卒業式前にコンタクトレンズを手に入れたのでした。

なぜ卒業式にコンタクトレンズか・・・それは、その最後の日に憧れのF君と写真を撮ってもらいたかったから。今思えば、写真を撮るときだけ眼鏡をはずせばよかったのですが、もう「コンタクトレンズありき」だったんですね。卒業式の間中、慣れないコンタクトで眼はシパシパ。しかも涙が出てくるからコンタクトはズレる・・・卒業式どころではない状態になってしまいました。それでも卒業式が終わって茶話会の途中、F君と同じクラスの友達が彼を校舎の屋上に呼び出してくれました。私を見た彼が一言。「あれ? 眼鏡はどうしたの?」もうこの一言のためのコンタクトレンズだったような気がします。たったそれだけだったけれど、とてもうれしかったのを覚えています。そして並んで念願のツーショット写真を撮ってもらったのですが・・・。

実はこの写真、オチがありまして。当時はネガフィルムのカメラだったんですが、フィルムの巻上げが上手く行ってない状態でカメラの裏ブタを開けてしまったんですね(泣)もちろん、彼とのツーショット写真もパー。今では記憶の中の1枚となってしまいました。