中学の卒業式。好きな娘が「第二ボタン頂戴。」等と言ってくれるのを心待ちにしながらしかし、そんなそぶりは一切見せず「あ~、明日からはこんな学校ともさよならだ~」と悪友どもと最後の一騒ぎを演じていると、女ダテラに我が悪の軍団と常に行動を一にしていたトモコが現れ「いたいた!これいーよね!」と言うが早いかそこに居た数人の軍団員の第二ボタンを次々と引きちぎり風のように去っていった。

呆気にとられていると既に数十メートル先から「バイバーイ」と手を振っている。そしてそこに現れた生活指導の先生。「おぉ~、良かったじゃないか!お前らのボタンでも貰ってくれるような女がいて」。。なにぉ~!くぉのじじぃが~!「何ぃ?いまじじいと言ったか?今からだって卒業は取り消せるんだぞ、この野郎!」おぅ、上等だぁ。やってみろ!ぁ~ん?・・と中央ロビーは大騒ぎに。

そこへいつものように割って入る学級委員のナオコ。「いい加減にしたら!恥かしくないの!?あんたたちのお母さんやお父さんだって観に来てくれてるのにっ!」あ、そうだった今日は母ちゃんが・・いててて、後から思い切り人の耳を引っ張るのは誰だ!こら!やめ、あ。母ちゃん。。n「ホラ!ちゃんと先生に謝れ!!三年間迷惑ばかりかけてすみませんと言え!!」わかった、判ったから。痛いんだっての。耳が切れたらどうするんだって。謝りますから放して~(泣)見ると数人いた軍団員も全員親から先生の前に引きずり出されているではないか。。そしてコンクリートの床に正座。三年間、迷惑ばかりかけてすみませんでした。と真っ先に言ってしまうオレ。それを見て泣きそうになるムラカワ(あ、生活指導ね)次々と後に続く軍団員。すみませんでした、ごめんなさい、ありがとうございました。。堪え切れなくなるムラカワ。もらい泣きする親達。ありがとうございました、お世話になりましたと言いながら泣いている。あ~、辛気臭い。これだから卒業式ってやつはよぅ。。ケッ!と後を振り返るとそこには大好きなヒロミちゃんが。近づいてくるじゃないか。じっとオレを見ているしぃぃ。

あ、第二ボタンね。どーぞどーぞ。あ、し、しまったぁぁ。トモコのやろうどこに行きやがった?キョロキョロするオレ。ヒロミはオレの前にすっと立ち止まり手を差し出す。ごごごめん!と、トモコのやつがよぅ、「握手」へっ?「ホラ、早く」はっ、はい。軽くヒロミの手を握ったオレ。もう心臓はバクバク・頭は真っ白。「高校行っても仲良くしてね」はいっ!当然です!!舞い上がるオレ。踵を返し立ち去るヒロミちゃん。。「なんだおまえ、あの娘が好きなのか」デリカシーのかけらすら持ち合わせていない哀れな母親。「あれは一つの告白だな。うん。良かった良かった」喜びを分かち合ってくれる軍団員の面々。かし。冷静に考えると、この中学から自分が行く事になっている高校に行くのはオレ一人。どう仲良くするんだぁ?ヒロミちゃん、どういう意味ぃ?

それから一年。同窓会でますます可愛くなったヒロミちゃんと再会したオレは思い切って聞いてみた。どぅ?オレと仲良くするぅ?するとヒロミちゃん、「えっ?なんで?」だって仲良くしてねって・・「あ、アレは喧嘩ばっかしてないで皆と仲良くしてねって言ったの。ちゃんとやってるの?」ガ~ン。再び頭が真っ白になったオレ。そう言えば今日は誰も軍団員が来てないんですけど。誰か慰めてくれ~。。